戸建賃貸とは
戸建賃貸とは、一軒家を賃貸する物件です。
つまり、貸し出せる戸数はたった一つしかありません。
このことから、アパートやマンションのような集合住宅と違って賃貸収入が稼げず、非効率だと考えられることもあるでしょう。
しかし賃貸経営は、オーナーの目線だけで考えてはいけません。
戸建賃貸には、入居者にとってアパート・マンションにないメリットが多くあり、そこには一定数の需要があるのです。
戸建賃貸が選ばれる理由6つ
戸建賃貸にどのような理由から選ばれるのか、入居者の目線で見ていきましょう。
戸建賃貸が選ばれる理由1:
子育てをしやすい
戸建賃貸には周囲への音を気にしなくてよいというメリットがあります。
特に子育て世帯では、集合住宅だと深夜の赤ちゃんの泣き声や、幼い子どもの騒ぐ声が周りに迷惑をかけていないか気になるでしょう。
周囲の住人も仕方のないことだとわかっていても、状況によっては苦言を呈されることもあります。反対に周囲が寛容であっても、それはそれで気を遣うもの。肩身の狭い思いをさせられることには変わりありません。
しかしながら、子育ての苦労とストレスを最も抱えているのは親ですから、本来であれば周囲に気を配る余裕はないはずです。
このようなストレスフルな状況から子育てをしやすい環境を求めて、あえて戸建賃貸が選ばれることがあります。
戸建賃貸が選ばれる理由2:
楽器の演奏ができる
楽器演奏を規約で禁止する集合住宅は多いです。
そのため、たとえばお子さんが楽器を勉強し始めた場合に、アパート住まいでは自宅で練習ができません。
周囲と差がつくと、幼少時代の楽器練習は面白みがないものです。後付の防音シートなどで簡易的な防音室を作ることもできますが、効果の高いものほど価格も高いため、なかなか完璧な防音は難しいといえます。
これに対して戸建賃貸であれば、周囲にそれほど気を遣う必要はありません。
戸建賃貸が選ばれる理由3:
庭が使える
戸建賃貸には庭がある場合が多いです。
子どもと遊ぶこともできますし、家庭菜園やゴルフの練習スペースを作るのも自由です。
戸建賃貸が選ばれる理由4:
ペットを飼える
集合住宅ではペット可の物件であればペットと暮らすことができますが、鳴き声などを理由に、ペットの大きさには制限を設けるところが多く、また家賃も周辺の相場よりも高めに設定されています。
また庭でペットと遊びたい人、あえて室外で飼いたい人の場合、集合住宅でそれを実現することはできません。
ペットと自由に暮らしたい人にとっても、戸建賃貸は魅力的な物件といえます。
戸建賃貸が選ばれる理由5:
収納スペースが広い
生活を続けると、どうしても物が増えてきます。
しかしアパートやマンションの収納スペースといえば、室内にあるクローゼットなどに限られていて、あとは棚などを購入して生活スペースに置くしかありません。
また近年は、災害対策として3日から1週間分の保存食や消耗品を備蓄する家庭も多く、そうなるとクローゼットだけでは収納不足です。
これに対して、戸建賃貸は室内の収納スペースが多く、またアウトドア品などは庭に物置を置いて収納することもできます。
戸建賃貸が選ばれる理由6:駐車場代がかからない
アパートやマンションは、駐車場代がかかる物件が多いです。
しかも1台増えるごとに賃料が上がり、2台目以降のスペースがなければ近隣の月極駐車場を自力で手配することもあり得ます。そのため、アパートやマンションの家賃は駐車場代込みが実質の負担額となるのです。
一方、戸建賃貸に駐車場代はなく、敷地内に自由に駐車することができます。そのため、2台保有の世帯にとっては、駐車場台を家賃に含めて考えると、かえって戸建て賃貸の方が安い場合もあるのです。
また自転車やバイクなどを購入しても、敷地内に自由に駐輪することができます。
戸建て賃貸を経営するメリット
前述のとおり、戸建て賃貸にはアパートやマンションにないメリットが多く存在します。
最後に、経営する側にどのようなメリットがあるかもご紹介します。
経営するメリット1:
賃貸しやすい
戸建て賃貸は、アパートやマンションでは実現できないメリットがあるため、あえて希望する人は一定数います。
しかも戸建住宅の賃貸物件は数が少ないため、希望する人が見つかれば、郊外でも貸しやすいといえます。
経営するメリット2:
利回りは高い
戸建て賃貸は、アパートやマンションのように複数世帯からの家賃収入がないため、利回りが低そうという印象があるかもしれません。
しかしながら、戸建て賃貸は意外にも高い利回りを確保しやすい物件です。その理由は、家賃を高く設定しやすいことにあります。
戸建て住宅は、駐車場の確保が不要であることや、戸建て住宅でしか実現できないニーズがあるため、これらの要件に合致する人にとっては、アパートやマンションより家賃が多少高くても苦になりません。実際に、利回りが7%を超える戸建て物件もあります。
参考:ベツダイのアパート商品
経営するメリット3:
住むこともできる
戸建て住宅は、将来自分で住むこともできます。
家族が増えれば増築することもできますし、老後にバリアフリーにすることも可能です。しかもこれらの改築資金は、市町村から補助金がでることもあります。
経営するメリット4:
相続税対策になる
賃貸アパート・マンションと同様に、戸建て賃貸もまた、相続税対策になります。
賃貸物件が相続税対策になる理由は、不動産の相続税評価額が購入価格より低くなるためです。したがって戸建て住宅もまた、アパートやマンションと同様に、不動産の相続税評価額によって相続税が計算されるため、相続税対策としても有効です。
戸建住宅の購入は専門家に
戸建賃貸の購入はまずは不動産の専門家に相談しましょう。
特に増税の前後では、必要となる費用が格段に違いますので、早めの相談が大切です。