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サ高住の土地活用は本当に成功しやすいの?補助金や優遇税制を徹底解説

サ高住の土地活用について、補助金や税金軽減を受けるための条件や、いくら受けられるかなどを解説します。

2019.05.31

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)とは

サービス付高齢者向け住宅(以下、「サ高住」)とは、高齢者の日常生活を支援する介護・福祉のサービスが備わった、高齢者用の賃貸住宅のことです。
入居する高齢者は、住居用の部屋を賃貸して日常生活を送りながら、常駐するスタッフによる安否確認や生活相談サービスを受けることができます。
また、必要に応じて食事や入浴などの支援を受けることや、併設された施設でデイサービスなどを受けることも可能です。

サ高住の土地活用で絶対に受けたい補助金と優遇税制

国は現在、自治体と連携して、高齢者の増加に応じた高齢者向け住宅の供給を行うことを目標とし、サ高住の供給促進事業を行っています。
その中の目玉となるのが、サ高住を新築・改修する際の補助金と、税金の優遇措置です。

補助金や税金の優遇措置を受けることができれば、建築費用やランニングコストを抑えることができ、土地活用の成功率も上がります。
したがってサ高住の土地活用において、補助金と税金の優遇措置は、絶対に受けたいところです。

 

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)の補助金はいくら?

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)の補助金はいくら?

補助金の対象となるのは、サ高住を新築するための費用や改修するための費用の一部です。
補助金の上限額は、住宅の部分と高齢者生活支援施設(※)の部分に分かれます。

新築 改修
住宅

10分の1
(上限は最大135万円/戸)

3分の1
(上限180万円/戸)

高齢者生活支援施設(※)

10分の1
(上限1,000万円/施設)

3分の1
(上限1,000万円/施設)

住宅の新築は、原則、費用の10分の1の補助金が支給されますが、戸数×最大135万円が補助金の上限額です。
ただしこの上限額は、1戸あたりの床面積が狭いと、最大135万円から、120万円・90万円と段階的に減少します。

(※)高齢者生活支援施設とは
介護・福祉サービスに関する施設です。住宅と同じ建物内に設置される場合や、住宅に併設されることが多くなります。通所介護事業所、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、診療所、訪問看護事業所などが該当します。

サ高住の補助金の公募はいつ?

補助金の公募は、例年、春から翌年2月ころまでの期間で行われています。
詳細な補助金の内容は、平成31年度の公募内容が発表されてから、改めて確認が必要です。
(今回は国土交通省の資料から、平成31年度予算案に基づく補助金の予定内容を記載しています)
参考資料:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅に関する現状」

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)の優遇税制で税金はいくら軽減される?

私たちは、不動産を新築した時は「不動産取得税」、保有している間は「固定資産税」を自治体に納税しなければなりません。
しかし、この不動産がサ高住の場合、固定資産税と不動産取得税にそれぞれ優遇措置があります。

固定資産税

固定資産税は「固定資産税評価額×1.4%」で計算された税額が、土地・家屋それぞれに課されます。
ただしサ高住については、次の優遇措置があります。

もともとの税額 サ高住の軽減措置
固定資産税

固定資産評価額×1.4%

【家屋のみ】5年間、家屋の税額を2分の1から6分の5の範囲内で軽減

「2分の1から6分の5」とは、減額の下限と上限の割合を国が示したもので、実際の軽減額は、この範囲内で自治体が決めた割合となります。(減額の参考値は3分の2とされています)
住宅用の家屋の税額にはもともと軽減措置がありますが、内容はサ高住の軽減措置の方が優遇されています。

土地に軽減措置はある?

土地については、サ高住に限った優遇はありません。
ただし固定資産税は、「住宅用地」の場合、その税額が200平方メートルまで6分の1、それを超える部分は3分の1に軽減される制度があります。
もし更地からサ高住へ土地活用を行った場合は、住宅用地の軽減制度の対象になるため、更地の時よりも税負担が軽くなります。

不動産取得税

不動産取得税は、「サ高住」に限定した減額措置ではありませんが、「住宅」として次の軽減措置が受けられます。

もともとの税額 住宅(サ高住を含む)の軽減措置
不動産取得税

固定資産税評価額×3%
(宅地は2021年3月末まで2分の1)

【家屋】課税標準から1,200万円控除/戸
【土地】いずれか大きい方の金額を税額から控除
ア)4万5,000円
イ)1平方メートルあたりの評価額×2分の1×家屋の床面積の2倍(最大200平方メートル)×3%

ただし土地については、先に土地を取得して後から住宅を建てた場合、上記の軽減措置を受けられないケースがあります。
更地を土地活用する場合は、注意が必要です。

「それなら不動産取得税は、サ高住に限ったメリットはないの?」というと、上記の軽減措置(家屋)を受けるための条件の一部が、サ高住の場合、優遇されています。

一般の住宅 サ高住
軽減措置の適用条

1戸あたりの床面積が40平方メートル以上

1戸あたりの床面積が30平方メートル以上

注意点
  • 軽減措置の適用条件は、これ以外にもあります。自治体ごとに確認しましょう

通常は、1戸あたりの床面積が40平方メートル以上でなければ、課税標準から1,200万円の控除はできません。
これに対してサ高住は、床面積が30平方メートル以上でOKとなります。
ちなみに固定資産税でも、同じ優遇が行われています。

平成31年度税制改正で延長

平成31年度税制改正によって、固定資産税と不動産取得税のサ高住の軽減措置は、2021年3月末まで延長されます。

サ高住の土地活用で補助金・税金の軽減措置を受けるには

サ高住は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」という法律に基づいて、建物ごとに都道府県知事からの「登録」を受けることができます。
補助金や税金の軽減措置の対象は、登録を受けている事業のみです。

つまり、サ高住をなるべく有利に行うためには、法律に基づく登録がカギとなってきます。
登録を受けるには、登録基準に合致したサ高住の計画を立て、都道府県に必要書類を提出し、登録申請を行わなければなりません。

サ高住の土地活用は専門家へ

サ高住の土地活用を有利に進めるには、都道府県の登録を受けて補助金や税金の軽減措置を受ける必要があります。
しかし、サ高住の登録基準を一から学ぶのは大変です。
またどのような方法でサ高住を経営することが、ご自身やお持ちの土地に向いているかといったことも、1人ではなかなか判断できません。

サ高住の経営は、サ高住の土地活用に詳しい専門家の意見を参考にしましょう。
サ高住を含めた土地活用のご相談は、信頼できる不動産会社にお寄せください。

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